香港の哲学者許煜(ユク・ホイ)は、ハイデガー、スティグレール、シモンドンの問いを引き継ぎながら、そこに荘子・易経・牟宗三の思想を接続する。ひとつの地点から、東と西の両方に向かって手を伸ばすこと。このシリーズは、その思想の地形を自分なりに歩き直すための記録です。
ユク・ホイが問い続けているのは、技術が普遍ではないという一点です。近代技術はギリシア=ヨーロッパ的な宇宙観から生まれたひとつの形であり、中国・インドほかの文化圏には固有の技術哲学の系譜がある。この「宇宙技芸(cosmotechnics)」の概念を軸に、テクノダイバーシティ――技術の多様性を思想的に保護する試み――へと向かっていきます。